カテゴリー: OB短信
S54年(1979年)卒のOB短信

早いもので、大工大を卒業して48年目となり来年の誕生日で古希を迎えます。多くの方々のお父さんや祖父の歳になったと思うと、年月の流れを実感する今日この頃です。
常翔学園校友会に記載した私の自己紹介をご覧頂いた電子クラブの前会長さんからご依頼を頂き、寄稿させて頂くこととなりました。自己紹介文をそのままでもいいので、との言葉を頂きましたが、いざ筆を進めると学生時代からの様々な事柄が走馬灯のように蘇えり、なかなかまとまりません。徒然なるままに5つのテーマで書いてみることにしました。私の経験談をOB短信としてご紹介させて頂きます。
先ずは、【要約】を示しますので、関心のある部分だけでも読んで頂ければ幸いです。感想やご意見をお聞かせ頂けるようでしたら、末尾に示すメルアドへお寄せください。
新たな出会いをお待ちしております。
【要約】
●1.サイクリング同好会(後に体育系クラブ所属の部となりました)との出会い
大学生活の四分の一は、自転車のサドルの上で過ごし、心身共に人生の肥やしに!
●2.『自分が興味を持ち好きなことをやれ!』という言葉に共感
ものを創ることが大好きで、勉強と感じなかった “物理” (ものの理) との出会い
・第1種ME技術者 認定試験合格 ・国立大学での10年間に渡る非常勤講師
・専門学校で国会資格である臨床工学士向けの講師 ・複数の学会での講演
●3.指導教官に勧められた企業への入社、そして東京へ
入社3年後に企業内企業へ (当時は週刊誌を賑わした流行語となりました。)
“江戸時代に自動車を売るようなもの!?”
これはプロジェクトXだ!(最大手の製薬会社でのシステム導入とプログラム開発)
京大で出会った海外からのレジデントの言葉 “ You are a magician ! ”
プログラミング言語はコンピューターへの通訳であり翻訳だ。
●4.大企業の子会社で働いたサラリーマン生活から、リストラに遭遇し独立へ
学系単科大学卒での社長就任数がトップクラスの大工大、その一人に成りました。
経営者(独立するってどういうこと?)
いろんな立場で世の中を見ることができました。
良くも悪くも、何があるか分からないのが人生!?
・海外へのシステムの輸出 ・TV番組出演
●5.後任者育成のための引継ぎと退任、そして新しい事業へ
万博ボランティア活動を利用した引き継作戦へ
息子が営むボードゲーム&レンタルフリースペースでの新事業へ
多くの人が集える場所を提供して行きたい。
【本文】
●1.サイクリング同好会(後に体育系クラブ)との出会い
大学時代ではサイクリング同好会に入会し、週末と連休には近隣にポタリング。夏休みには、北海道・東北・信州へ、春休みには、伊豆半島~西関東・広島~九州・四国へと、各地の林道や峠を巡りました。年間の3カ月間はサドルの上で過ごし、卒業時点では地図なしで全国何処へでも行けるようになっていました。
毎年の淀祭の時期には、部室前を起点と終点とて450kmを走る耐久レースに参加し、24時間のあいだ寝ずに走り、おにぎりが切れると車のガス欠の様に走れなくなる経験もしました。
当時の同好会は西日本大学サイクリング連盟に加盟しており、愛媛大、岡山大、徳島大、大阪大、立命館大、和歌山大など各大学が主管したラリーにも参加し、合宿を通じて多く友人に出会えることができました。女子大学生からのラブレターも淡い思い出となりました。
又、大工大のサイクリング部では、轟輪(ごうりん)会と称するOB会があり、還暦を過ぎた今でも幅広い年代の仲間と共に年5回は走ったり飲んだりと、活発な交流が続いています。
自転車によって鍛えられた脚力とこれらの多くの人脈は、私の人生の肥やしとなっています。


●2.『自分が興味を持ち好きなことをやれ!』という言葉に共感
私は高校物理と数学が好きで、大工大に入学できました。
特に物理は、私にとって勉強の対象ではなく、f=ma:運動の法則や、mgh:位置エネルギー、mv²/2:運動エネルギーなどは、自転車に乗っていると体で感じられる自然の法則であり、“よく気付いて整理したな!”、“面白い!” という感覚でした。数学ではフーリエさんの考えた変換技術も、掛け算と足し算だけで波形の似具合が分かりスペクトル解析ができることも、“理に適っている!” 、“よく見つけたな!” と感心しました。
昔から単に暗記する勉強は苦手でしたが、工夫をしてものをつくる(創る/作る/造る)ことが大好きでした。暗記ではなく、“ものの理(ストーリー)” を感じることで自然と覚えてしまえた物理と数学も大好きでした。これら2つの大好きが私の人生を導いてくれました。
30歳代に日本生体医工学会が認定する第1種ME技術者に合格し、複数の学会で “生体電気現象の測定ノウハウ” に関する講演をさせて頂き、晩年には旧帝大でもある九州大学にて生体情報処理演習の非常勤講師を10年間務め、国家資格である臨床工学士に成るための専門学校の講師も務めることができました。一工大生が旧帝大の国立大学や専門学校で講師を務めるなんて想像もできませんでしたが、人生、何があるか分かりません。
『自分が興味を持ち好きなことをや!』という言葉に共感しています。
●3.指導教官に勧められた企業への入社、そして東京へ
大学時代の卒業研究では、波形認識とスペクトラム解析による音声認識研究を通じて勉強をさせて頂き、卒業後は指導教官に勧められた大手電気メーカーの子会社である医療計測機器メーカーに入社して22年間を過ごしました。
当初は東京に赴任したものの、直ぐにセールスエンジニアと称して大阪へUターンすることになりました。3年目にはコンピューターメーカへ転職の誘いもありましたが、結果的には留まることになり、この3年間は扱っている全ての医療計測機器を知り、ユーザーを知り、販売の仕組みも知れ、修行の期間となりました。又、現地でエンドユーザーと直接会い、ニーズを知ったことは、後の仕事の肥やしとなる貴重な経験となりました。
その頃、開発部門では初のプログラミングができる計測用コンピューター(以降:シグナルプロセッサーと示す)の開発が進み、発売されようとしていました。8ビットCPUが出回ろうとしていた時期に、マイクロプログラミング方式を採用し、ビットスライサで構成された可変構造CPU(16bit/32bit)を有し、アナログ信号の計測用にサンプリングクロック1μS、32ch対応のAD変換機能と、標準512Kbyte(オプション:4Mbyte)のメインメモリを装備したオリジナル製品でした。専門用語で分かり難いと思いますが、今でも通用するスペックで、当時(1980年)なら化け物のようなマシンが¥880万円で発売されたのでした。
ここからは、プロジェクトX風に示していきます。
このスペックは、後にNASAから小型化をしてラップトップ型に出来るなら欲しいと言われた程のスペックだった。
パソコンも未だ普及していなかった時代、プログラムができる者は社内には少なく、当時の管理部門と営業部門では皆無だった。
コンピューターを理解し販売する体制がないまま、シグナルプロセッサーが発売されていた。
これは車に関する知識も常識もないまま “江戸時代に自動車を売るようなもの” だった。
『時速100㎞で走れる。ということは、大阪から東京まで6時間で行ける!?』
しかし、江戸時代には自動車が通行できる橋もトンネルも高速道路もなかった。
ソフトウエアのことを眼中にないまま、言葉が独り歩きしていた。
『行けます。(出来ます)』
お客様が発注し、会社は受注した。そして、シグナルプロセッサーが納品された。
最低限のOSだけで、必要な各種のソフトウエアは未だ揃っていなかった。
『出来ない!』
大問題となった。
責任者が再三に渡りユーザーへ訪問して詫びるが、いつまで経っても解決の目処さえ立たなかった。
入社3年の新人が言った。
『お客様が要望されるプログラムのサンプルを作ればいいだけでは?』
大問題の渦中に、誰もこのシンプルな解決策を口にする者はいなかった。
開発者の製品コンセプトに、医学の研究分野でやりたいことを3時間や3日間で実現できる生体信号処理用プロセッサを作りたい。という基本思想があった。
新人は、念のため具申する前に開発責任者に尋ねた。
『このシグナルプロセッサーで、出来ますよね!?』
開発責任者は言った。
『止めとけ!』
関係者からの開発者への無知で不条理な責めと、新人を巻き込みたくないという開発者の思いが伝わってきた。「出来ない」とは言わなかった。
新人は、この言葉で確信した。出来るということを!
営業部門である大阪支店に、アプリケーションプログラムを開発する部署が新設された。
相談する上司も先輩もいない、お客様と向き合い試行錯誤をしていくしかない。
正に"企業内企業"の立ち上げとなった。
3日間の開発期間を設け、新人と同世代の2人が昼夜を問わずプログラムを創り続けた。
お客さんの要望されていたプログラムが出来た。
“動物の瞬時心拍、血圧、血流などを計測しリアルタイムで解析してトレンドグラフを表示する。” というものだった。従来は記録紙から読み取っていたが、その場で自動的に読み取り記録されていく、かなりの省力化とスピードアップが図れる。と、同時に読み取りミスもなくなるものだ。今ならAIだと言われるかもしれない。
そして、お客さんの研究所にこのプログラムを届けて実行して見せた。
数十ページに及ぶプログラムリストは、納品した1週間後には全て解読され理解されていた。
大手製薬メーカーの備品購入の責任者でもある開発部長は涙を流して喜んだ。
『欲しかったものはこれだ!』
お客さんからの力強く、温かい、新人への感謝の握手とその温もりは、今でも私の心の中で消えることはない。
ある時、京大の麻酔科でシグナルプロセッサーの実演デモを行った。
要求に従ったプログラムをその場で入力した。
3時間で出来た。
担当した海外からのレジデントは、“ You are a magician ! ” と叫んだ。
お客さんの要求を信号処理用の専用プログラミング言語を使って翻訳して、シグナルプロセッサーに伝えただけだった。
プログラミングは、プログラム言語を利用したコンピューターへの通訳であり翻訳だ。
双方の文化や言葉の背景を知らないと、通訳や翻訳は上手くできない。
プログラミングは理系だけでなく、文系と言えると感じた。
その後も、シグナルプロセッサーの研究用システムは、売り上げを伸ばし続けた。
社内で表彰され、ドイツのデュッセルドルフで開催される国際医療機器展示会へ招待された。ケルンの大聖堂には圧倒された。初めてのヨーロッパだった。
●4.大企業の子会社で働いたサラリーマン生活から、リストラに遭遇し独立へ
その後、医療機器事業からの撤退に伴い子会社の営業部門は米国のGEグループに移管されました。リストラでした。そして、事業内容が大きく変わったため独立の道を進むことになりました。最初の半年間ぐらいは、不安でいっぱいでした。その時、救ってくれたのは息子と妻でした。病院の門を叩いていたら、鬱病の診断履歴が残されていたことでしょう。
継続は力でした。起業したことに慣れ、そして不安は解消していきました。時間が解決してくれました。そして、独立後26年目を迎えています。
西日本の工学系単科大学で、我が母校は一番多くの社長を輩出していることを帝国バンクのデータで知り、その一人になったことを知りました。
大工大生が多くの社長となる理由が、なんとなく分かった気がします。
経営とは? 答えは一つでなく、私には答えるだけの経験はまだまだ足りません。
商売においては、『金を追うな!追えば逃げる!』、『ヘビの様クネクネと進め』、『問題は気付かなければ問題ではない』、『儲けるとは、字の如く信者をもつこと』、『意識は行動を生み、 行動は習慣となり、習慣は人格を作り、人格は人生(運命)を生み出す。』などの言葉は、身に付きました。その通りだと、
サラリーマンなら会社や上司や同僚、部下の悪口を言っても直ぐに給与がなくなるわけではありませんが、経営者となると他律要因ばかりを言い、立ち止まっているとあっという間に収入がなくなります。良くも悪くもダイナミックに自分に帰ってきます。
独立後も生体信号の計測から解析を行い、信号処理や各種制御を行うソフトとハードから構成されるシステムを製造・開発し、大学や官公庁、企業における人間工学、心理学、医学、体育学分野の研究室(所)をお客様として、科学研究に関わる事業を続けることができました。
この頃には、880万円もするハードウエアは不要となり、パソコンで対応ができる時代となっていました。高価なハードウエアを使用することなく、生体信号処理の文化とソフトウエアを移管することだけで対応することができました。専門知識と職人芸が必要とされ、大手企業では対応できない特注対応の狭い市場でした。
脳波や筋電図などの生体信号のみならず、各種物理現象の計測処理も行い、PICやFPGAなどを利用した特注デバイスも製造販売をしてゆき、リアルタイム制御やフィードバックなどにも対応するようになっていきました。
生理心理学分野で利用されている「隠匿情報検査」(いわゆる嘘発見器)の研究用システムも扱っており、“科捜研の女” には、複数回に渡り弊社の製品とデーが出演しました。
“刑事ゆがみ”、“フジTV特番” などでも弊社の製品とデータが出演し、“でんじろうのTHE実験” では、製品と共に私自身も白衣を渡され出演することになりました。
昨年には、インターネットTVの恋愛リアリティショーという番組制作で、2週間にわたるロケに立ち会うこともありました。
いずれも、今までの実績と口コミによるものでした。

●5.後任者育成のための引継ぎと退任、新しい事業へ
会社に在席しているとついつい私が対応してしまい後任者が育ちません。老害をなくすべく相談役となりバックアップすることにしました。そんな時、2024年の春に万博のボランティアの募集を知り応募しました。私の在席時間を確実にそして、徐々に削減しようという作戦でした。運よく会場ボランティアとまちボランティア両方に採用され、会場と大阪の主要ターミナルで50回の案内活動を行うことができました。ミャクミャクの折り紙もたくさん作り、作り方教室も開催しました。その結果、自然な流れで2025年12月に会社役員を退任し、後継者に引き継ぐことができました。
数年前より地下鉄『千林大宮』4番出口より徒歩40秒の場所で、サブビジネスとしてボードゲーム&フリースペース 遊季(Yu-ki)を始めていました。息子が店主で私がサポートする形です。RC4階建で個室を売りとしたスペースとなっておりおよそ500種のボードゲームで遊んで頂けます。又、フリースペースとして、会合や各種セミナー、ワークスペースとしてのご利用にも最適です。
皆様方のビジネスや同窓会の2次会で安価にご利用頂けるスペースです。懐かしい千林大宮界隈での同窓会はいかがですか? 飲食物の出前や持ち込みも自由ですので、ご利用の際は、私までご連絡ください。
詳しくは、“千林大宮 遊季” で検索してください。
ボードゲーム&フリースペース 遊季(ユウキ)
HP ⇒ https://bodoge.hoobby.net/spaces/senbayashi_yuki
又、嘘発見器だけでなく、脳波や筋電図、自律神経解析の体験セミナーを大阪市生涯学習インストラクターバンクに登録して開催しています。“大阪市生涯学習インストラクターバンク 金子秀樹” でWeb検索して頂くと概要がご覧いただけます。グループでお申込みいただけますので、大阪市生涯学習センター(06-6345-5000)まで、お問い合わせください。
家庭用の嘘発見器が欲しい方も歓迎します! 製品の性格から一般販売はされていませんが、卒業生の皆様へは分析ノウハウの説明を含めて対応させて頂きます。
生体信号を活用したシステムを検討されている方、衣食住に係る快適性などを研究対象とされている方、リアルタイム処理を行うデバイスのアウトソーシングを検討されている方、そして、独立を目指されている方にも役立つ経験談をお伝え出来ると思います。
今までの私共の経験や知識が、お役に立てれば嬉しい限りです。
間もなく古稀となりますが、気持ちと脚だけは若いと自負していますので、気楽に声をかけてください。私のメルアドは、kaneko (アンダーバー) hideki @msn.com です。
ご連絡をお待ちしています。
H18年 (2006年)卒のOB短信
2024年度 学生プロジェクトの活躍を讃えて
皆さま、こんにちは。
私は近藤と申します。2006年電子情報通信工学科を卒業し、同年4月にヴイストン株式会社へ入社しました。その後、2008年8月より大阪工業大学ものづくりセンターに勤務し、教育・研究支援の現場に携わってまいりました。
さらに、2016年3月には大阪工業大学大学院工学研究科 電気電子工学専攻 修士課程を修了し、同年9月には 株式会社シンプルファイターを立ち上げ、筆頭株主として学生団体やロボットコンテストへの支援活動も続けております。
こうして母校や学生たちと関わり続けられることは、私にとって大きな喜びであり、日々の励みになっています。
そして昨年度は、各プロジェクトで胸が熱くなるような活躍が続きました。ここでは、その挑戦と成果の一端をご紹介したいと思います。
機械工学研究部 ― キャチロボバトルコンテスト2024
京都で開催された「キャチロボバトルコンテスト」において、ベスト4入賞を果たしました。
「機械は人間の手を超えられるか」をテーマに、ロボットが対象物をつかみ取る高度な競技。部員たちは日々の工夫を重ね、見事に実力を示しました。試合の様子はテレビでも放映され、学生たちの真剣な姿が多くの人々に届きました。
👉 詳細:https://www.oit.ac.jp/news/topics/topics10561.html

ロボットプロジェクト ― NHK学生ロボコン2024
今年もNHK学生ロボコンに挑戦し、奨励賞を受賞しました。
AIとUnityを用いたカラー認識、自立走行ロボットへの挑戦は惜しくも目標に届きませんでしたが、学生たちは「悔しさ」をバネに次へと進もうとしています。努力が必ず力になることを、私たちOBは経験から知っています。
👉 詳細:https://www.oit.ac.jp/news/topics/topics10106.html

人力飛行機プロジェクト ― 鳥人間コンテスト2024
琵琶湖の空を舞台に行われた鳥人間コンテストで、5位入賞(飛距離7,761.80m)を達成しました。
仲間と共に夜を徹して機体を作り上げた経験は、数字以上の大きな価値を持つはずです。青空をバックに飛び立つ姿は、まさに青春そのものです。
👉 詳細:https://www.oit.ac.jp/news/topics/topics10310.html

機械工学科のシステムデザイン研究室・知能ロボティクス研究室 ― レスキューロボットコンテスト2024
合同チーム「S.S.S.S」が、竸基弘賞とベストチームワーク賞を受賞しました。
災害現場を想定した競技において、技術力だけでなく息の合った連携が高く評価されたことは、今後の研究活動にも大きな励みになるでしょう。
👉 詳細:https://www.oit.ac.jp/news/topics/topics10651.html

ロボットプロジェクト ― レスキューロボットコンテスト2024
同じレスコンの舞台で、ロボットプロジェクト「大工大エンジュニア」チームが、**消防庁長官賞とベストプレゼンテーション賞をダブル受賞しました。
技術力だけでなく「伝える力」までも磨き上げた成果であり、学生たちの成長の幅広さを実感させられます。
👉 詳細:https://www.oit.ac.jp/news/topics/topics10265.html

ソーラーカープロジェクト ― 白浜ECO-CARチャレンジ2024
和歌山県白浜町で行われた耐久レースにおいて、レジェンド・クラス3位(総合4位)に輝きました。
途中でトラブルもあったそうですが、冷静な対応とチームワークで完走。太陽の力を活かした走りは、「未来を切り拓くエネルギー」を象徴しているようでした。
👉 詳細:https://www.oit.ac.jp/news/topics/topics10422.html

おわりに
こうして見てみると、学生たちはそれぞれのフィールドで力を発揮し、結果だけでなく大切な経験を積み重ねています。
私たちOBもかつては同じ場所で汗を流し、壁にぶつかり、仲間と喜びを分かち合いました。その日々が今の自分を形づくっていることを思うと、彼らの挑戦が未来への大きな糧になると確信します。
どうかこれからも、後輩たちの活動を温かく見守り、応援していただければ幸いです。
学生さんの底力を知る出会い
私は現在電子クラブの副会長をさせていただいています。吉田と申します。
現在、私はオンキヨー株式会社で働く傍ら大阪工業大学電情報システム工学科では「情報と職業」の非常勤講師をさせていただいております。現在のオンキヨー株式会社は元々オーディオメーカーのオンキヨーの研究開発部門が独立した会社で、仕事は「音」を主体としつつも音響センサとAIを使った仕事へと変わっています。もちろん従来の音に関する回路技術はAIで音を扱うために行う「音のデータ収集」において必須の技術で、より高感度・低ノイズで信号を増幅しデータ化できるよう日々技術を磨いており、まだまだ毎日が勉強中です。
最近では老舗の電子回路雑誌「トランジスタ技術」での回路記事の連載や特集記事も執筆させていただいており、これは特に国内の一流の技術者の皆様の目に留まるものであり、厳密な記事が要求されるため、実際執筆にはとても負荷がかかります(胃が痛くなることもしばしばです・・・)が、気を引き締め自身の技術の再確認と向上に役立てさせていただいています。
前述の情報と職業の講師は2017年よりさせていただいていますが、講義をとおして現役の学生さんと毎年交流させていただくことが本当に楽しみです。
講義を受けてくださる学生さん、みなさんがしっかり講義を聞いてくださり、講義ではほぼ毎年質問を頂いています。数回の講義において前週の講義で頂いた質問は、次の週に必ず回答するというスタイルを当初より続けているおかげか、学生さんとの交流もすごく深まっています。
昨年は、「情報と職業」の講義を受けてくださっていた学生(北村太慈さん)さんが自身の電子工作の成果を見てほしいとのことで、研究室に呼んでいただく機会をいただき、光伝送のオーディオ回路やハードウェアのオーディオ帯域ごとのレベルメーター(オーディオスペクトラムアナライザ)など数々の素晴らしい作品を見せていただきました。
丁度そのころ、トランジスタ技術を出版しているCQ出版社の編集者の方から「若手の執筆者を育てたい」との意見もいただいていたので、思い切ってその学生さんに「記事を書いてみませんか」とお話しした所、快く受けていただき、テーマとしては彼が所属している大阪工業大人力飛行機プロジェクトで、Arduinoを用いた人力飛行機の制御回路を題材に書いていただくことになりました。
もともと電子工作が得意でとても高い技術を持っておられる学生さんで、執筆すべき内容がどんどん溢れ出てきて、私もびっくりするほど優秀な学生さんでした。
私も微力ながらですが、本文の仕上げ方、トランジスタ技術での表現の仕方などアドバイスさせていただきつつ校正、出版まで実施していただくことができました。
最終的に廣芝先生のご指導もいただきつつ、記事は連載の形で、トランジスタ技術2024年3月号・4月号・5月号に掲載されました。さらにその後、彼自身の大学院での研究内容
についてトランジスタ技術Jr.2024年春号においての掲載もやり遂げておられ、大学からも表彰していただくことができました。
「情報と職業」の講義を通して今回のトランジスタ技術の執筆に関しての学生さんとの交流以外にも、たくさんの学生さんとの出会いがありましたが、このような機会を通して私自身が思うことは大阪工業大学の学生さんは本当にすごい人材の集まりだなぁということです。
またそのような素晴らしい学生さんに出会い触れる機会を得ることができたのも、大阪工業大学の発展はもちろんですが、電子クラブでの活動をさせていただいているおかげと思っております。
また、そのような学生さんと触れるなかで、私自身ももっと磨かねばと常々思っており日々精進しますとともに、今後も学生さん自身の可能性と力を発揮するためのアシスト役としてお役に立てれたらと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
<参考>
大阪工業大学 受賞・表彰ページ
トランジスタ技術 2024年3月号・4月号・5月号、トランジスタ技術Jr.2024年春号に掲載されました
2024年の世界経済とストレージ・HDDの業界展望
IDEMA JAPAN個人会員
HORI Technology Office
ストレージアナリスト 堀内義章
本資料は、筆者が毎年、コンピュータ業界のIDEMA JAPANに「世界の経済状況とストレージ・HDDの業界展望」(3月11日提出)を書いているものの転載で内容は少し状況が変わっているところもあるが、そのまま転載します。特にウクライナ侵攻やイスラエル戦争はいまだに続いており、注目は11月5日の米国の大統領選挙であろう。バイデン大統領に代わってハリス氏(現副大統領)が出馬し、どちらか勝つかによっては、また世界を揺るがしかねないので、世界経済と合わせて注目に値する。また日本は、岸田首相が総裁選挙に出馬しないことを表明しているので、日本も首相が変わることになる。ストレージ業界は、益々増える情報量に対して、サーバーやデータセンターにHDDは情報の蓄積として必須となっているが、米オープンAI の「Chat(チャット)GPT」の出現によりそれを用いる電力使用量の増大でその対処方法も重要なってきている(2024年8月28日追記)。
1 はじめに*1)*2)
今年は、昇龍年と言われているにも関わらず、新年早々から日航機衝突による炎上事故や石川地震が発生し、地震は道路の寸断や破壊の凄さからいまだに、まだ被災地にボランティアが入りにくいような状況が続き復興が遅れている。その一方で、世界はこの2月24日で丸2年になるロシアのウクライナ侵攻戦争や昨年(10月7日)にはハマスとイスラエルの戦争が発生し、いまだに続いている。2023年は世界の紛争は183カ所に上るとの事だが、戦争は、すべてを根底から破壊するので、多くの民間人の死者と復興に時間とお金がかかり(ウクライナ復興には10年で4860億㌦<約72.8兆円>の財源が必要とされている)、いい加減に、お互いが腹を割って話し、妥協してもらいたいものである。また多くの罪もない一般市民や子供たちが多くなく亡くなっていて、その悲惨さを痛感する。特に今年は世界の選挙イヤーと言われ、大きな選挙を含めて70以上の国政選挙があり、その中でも、ロシアの大統領選(プーチン氏再選)が3月15~17日、インドの総選挙(モディ首相再選)が4~5月に、米国の大統領選挙が11月5日に行われるので、注目に値する。CO2による地球温暖化などは、世界で取り組まなくてはいけない問題が多く、主義主張で意地を張る所ではないと思われる。世界は権威主義と自由経済主義、その中間のインドを中心にしたグローバルサウスに分かれており、お互いに妥協点を見つけてもらいたいと念願している。なお、現状では自由主義と権威主義の比率は、表1のようになっており、人口で行くと権威主義の方が圧倒的に多くなっていて、GDPでも接近してきている。
表1 民主主義が権威主義に押されそうだ(スウェーデンの調査期間V-Dem、英誌エコノミストなど、2024年1月4日 日本経済新聞)
| 民主主義陣営 | 権威主義陣営 | |
| 米国、日本、EU等 | 主たる国 | 中国、ロシア等 |
| 90 | 国・地域数 | 89 |
| 29 | 人口比率(%) | 72 |
| 54 | GDP比率(%) | 46 |
また今年のユーラシアグループが予測する世界10大リスクを下記に示す。いずれも可能性がある項目が多いのは心配の種。
ユーラシアグループが予測する世界10大リスク
1位 米国の分断 6位 経済を回復できない中国
2位 瀬戸際の外交 7位 重要鉱物の争奪
3位 ウクライナの事実上の割譲 8位 インフレの足かせ
4位 AIのガバナンス欠如 9位 エルニーニョ再来
5位 ならず者国家の枢軸 10位 米国でリスキーなビジネス
一方で、国内では国会議員の政治パーティの収支報告書の問題で、論議を呼んでいるが、今や、米国の好調と中国の不動産問題による経済の不調から、日本の株価が1990年来の最高値となり、一見、好調の様に見えるが、実態は、「少子高齢化」「賃金が上がらない」「GDPは、ドイツに抜かれ4位」「人口減少」「人材育成」「スタートアップ企業の少なさ」「女性の地位の低さ」「働く女性への支援不足」「女性天皇の検討」「中小企業の後継者不足」など多くの問題を抱えており、むしろこれらの問題に早期に対応してほしい。
ストレージ世界では、パソコンの飽和感、DX(デジタル・トランスフォーメーション)化の遅れ、メモリは大分回復していきたが、低迷し、一方では、「ChatGTP」の半導体を制したエヌビディアが独り勝ちみたいになり、今後はChatGTPを制した企業が、飛躍する構図になってきている。幸いに、日本は熊本に台湾のTSMCを中心とした半導体基地を作り、国も相当の支援をして半導体の復興を願っている。また、情報量は益々増大の一途をたどり、そのためのHDDを中心としたサーバーは必要不可欠になるので、HDDとしては、大容量化の要望がそうとう強なっている。その意味では、HDDの面記録密度の高密度化が増々必須となってくる。これらを含めて、今年世界経済とストレージ業界の動向を展望してみる。
2 世界経済と日本の動き
2-1 世界経済動向
ロシアのウクライナの侵攻が2年も続き、またイスラエルとハマスの戦争が昨年勃発し、これも続いて、更にエネルギーや穀物輸送に大きな影響を及ぼしている。また、不良債権問題で、中国の経済が空回りし、低成長化しており、さらに昨年人口もインドに抜かれ、中国の苦境が肥大化している。この3月から始まる全人代会議でどのような対策が盛り込まれるか注目に値する。さらに、世界は、権威主義と自由主義、その中間のグローバサウスと呼ばれるエリアに色分けされており、それぞれの分断が深刻化しようとしている。そして人口からしたら、権威主義やグローバサウスの方が多く、自由主義の危機でもある(表1)。また前書きでも述べたように、今年は世界の選挙イヤーで、特に大国のインドやロシア、米国の大統領選挙があり、今後の世界経済に大きく影響を及ぼす。米国は、バイデン大統領の再選か、トランプ氏の返り咲きかで、大きく世界の動向が変わってくるので、特に11月5日の米国大統領選挙には注目に値する。その意味では、人口世界一になり、中間を進むインドのモディ首相の今後が注目に値する。同首相は、グローバルサウスのリーダーとして、自由主義にも権威主義にも顔を出しており、経済成長でもインドが断トツの成長率を示している。その状態を表2、表3に示す。表2は世界の主要国の表示では1月時点で古いか、全体を表すのにはこの表が、一番分かり易いので、採用した。表3には、東南アジア6カ国の実質GDPの予測を示している。アジアの成長が、大きいことが分かる。
今後の焦点は、以下のことが上げられる
- ロシアのウクライナ侵攻の決着がつく時期
- イスラエルとハマスの戦争がどこで決着がつき、中東の戦争拡大が抑えられるか
- 米国大統領選挙の行方
- 地球温暖化は待ったなしで、世界が協調してCO2排出にストップがかけられるか
- 人口増加と人口減少の国との対応策
- 民主主義、権威主義、グローバルサウスのような中間主義とのバランス
- 人工知能(AI)のChatGTPの今後の活用
- インドがグローバルサウスの名手として指導力が発揮できるか、またサプラチェーン受け皿になれるか
- 国連改革と機能の回復
表2 2024年の成長率は低い水準に(2024年1月10日 日本経済新聞)
| 国・地域 | 2024年(2023/6との比較、%) | 2025年(2023/6との比較、%) |
| 世界 | 2.6(0.5) | 2.4(-) |
| 先進国 | 1.5(0.8) | 1.2(-) |
| 米国 | 2.5(1.4) | 1.6(0.8) |
| ユーロ圏 | 0.4(-) | 0.7(▲0.6) |
| 日本 | 1.8(1.0) | 0.9(0.2) |
| 新興・途上国 | 4.0(-) | 3.9(-) |
| 中国 | 5.2(▲0.4) | 4.5(▲0.1) |
| インド | 6.3(-) | 6.4(-) |
表3 東南アジア6カ国の実質GDP(各国当局まとめ、2024年2月20日 日本経済新聞)
| 国 | 2022年(%) | 2023年(%) | 2024年予想(%) |
| フィリッピン | 7.6 | 5.6 | 6.5~7.5 |
| ベトナム | 8.0 | 5.05 | 6~6.5 |
| インドネシア | 5.31 | 5.05 | 4.7~5.5 |
| マレーシア | 8.7 | 3.7 | 4~5 |
| タイ | 2.5 | 1.9 | 2.2~3.2 |
| シンガポール | 3.8 | 1.1 | 1~3 |
2-2 日本経済動向
日本経済は、半導体投資が活発となり、3月4日には株価が初めて4万円台に乗せ、バブル期を超え大いに賑わっているが(3月11日の終値は反落し、3万8,820円49銭)で、実態は、それに伴っていないのが現状である。円安、貿易赤字、出生率の低下で、人口減少が深刻化しているし、女性の地位の世界ランキングの低迷、各地域の過疎化、更には毎年起こる災害など抱える問題は多い。特に今回は、政治パーティの資金の流れが不透明で、野党も国民も疑念を抱いている。また、人材育成は、遅れており、スタートアップの起業率が低いのも、企業のトップがまだトヨタ自動車が走っているように、企業に新陳代謝がなされてなく、是非大学や企業在籍者でもスタートアップ企業の設立への志向を強めて欲しい。人口が減少し、企業の後継者が減少している現状、日本は10年企業が2万社以上あることを考えれば、将来見越した起業家の育成が重要であろう。今後、日本の企業永続のためにも技術者と人材育成へ力点を置いてほしいと願っている。
3 ストレージ業界の大きな変化
3-1 ストレージ
今後情報は一段と増加の一途をたどっており、その情報の保管方法は、表2に示すように、用途に応じて活用されている(HDD、フラッシュメモリ、光、磁気テープ)。一時は、どれかに統一されるのではないかと思われたが、用途に応じて、メーカーとそれぞれの制約でアーカイブを行っており、そのシステムを作るとなかなか変えにくい。また、お互い企業間で互換を持つ必要もないので、このまま用途に応じたアーカイブ行われるものと思われる。なお、表4には各種ストレージの特徴を、表5には各種ストレージの容量と進化を示している。この中で、古来からある磁気テープが、しっかりとした容量ターゲットを持って、年々着実に容量を伸ばしているのは、注目に値する。
表4 各種ストレージの特徴
| 媒体名 | 記録容量 | 価格 | 応答速度 | 寿命 |
| HDD | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
| フラッシュメモリ | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 |
| 光 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ |
| 磁気テープ | 〇 | ◎ | × | ◎ |
表5 各種ストレージの容量比較
| ストレージの種類 | 現状(枚) | 発表または予定 | 今後のターゲット | |
| HDD | 3.5型ディスク | 2.5 TB | 3/4 TB | 5TB |
| 2.5型ディスク | 750 GB | 1 TB | 2 TB | |
| 光(BD) | 5型ディスク | 100/200/500GB/枚 | 1 TB(多層膜) | 2 TB |
| NAND型3次元 | NAND型3次元 | 64/128/256/512GB/1TB/4TB/5TB/8TB/16TB/32TB | 多値 3~4ビット | 128TB |
| SSD型3次元 | 128/256/512GB/1TB/4TB/5TB/8TB/16/32TB | 多値、3~4ビット | 128TB | |
| MRAM型(SSD) | 4GB | |||
| 磁気テープ | LTO9 | 18TB(非圧縮)/45TB (圧縮) | LTO9/10/11/12(36/72/144TB)(非圧縮) | 220 /330/400 TB |
4 HDD業界とメモリの業界の動向
4-1 HDD業界動向
HDD業界は、ドライブメーカーとして大手3社で、推移しており、ドライブメーカーで主要部品の磁気ヘッド、メディアまで内製しているのは、Seagate TchchnologyとWD(Western Digital)であり、東芝はどちらも外部購入である。ただ東芝は、磁気ヘッドの開発は継続しており、メディアの開発生産をしている昭和電工、磁気ヘッドの東芝と組んで、高性能化の開発を行っており、開発後は生産委託をしている。また、パソコンのDynabookはシャープに売却して、会社名もDynabookとしてシャープが管理している。ただ、東芝は、不祥事により色々と株主間でのやり取りで、上場を昨年12月20日に廃止している。一時は、キオクシアとWDが一緒になるのではないかと話もあったが、結果的には、成立していない。表6には、HDDと部品メーカー状況を示す。
表6 HDDと主要部品メーカー
| HDDと主要部品 | 会社名 | ||
| HDD | Seagate、Western Digital(HGST)、東芝 | ||
| ヘッド | 専業 | 1社 | TDK |
| 内製 | 2社 | Seagate、Western Digital(HGST) | |
| メディア | 専業 | 2社 | 昭和電工 |
| 内製 | 2社 | Seagate、Western Digital(HGST) | |
| サブ基板 | アルミ | 6社 | Seagate、Western Digital(HGST)、昭和電工、東洋鋼鈑、Kaifa、ウエカツ工業 |
| ブランク材 | アルミ | 2社 | 古河電工、神戸製鋼所 |
| ガラス | 1社 | HOYA | |
| スピンドルモーター | 2社 | 日本電産、ミネベア | |
| サスペンション | 3社 | ニッパツ、TDK、サンコール | |
米調査会社IDCによると、2023年の世界パソコン出荷台数(速報値)が前年比13.9%減の2億5950万台だったと発表した。2年連続で減少で、ほぼパソコンは、先進国では行き渡っており、新しい国での拡販に期待がかる。最近は各社が人工知能(AI)半導体を搭載した新型パソコンを投入し、今後の市場を回復しようとしている。その1番手がDynabookで、他社に先駆けAI専用エンジンを搭載、快適なエッジAI処理を実現する「dynabook R9」(29万円台<税込み>)を商品化、4月下旬に発売。また、パソコンメーカーのVAIOは開発人材2割増 2025年めど PC市場見据えている。さらに富士通がハード専業の新会社設立、サーバーやストレージ開発販売 「エフサステクノロジーズ」4月発足した。AI搭載のパソコンは、今後のパソコン市場を活性化するか、今後をみたい。ただ、パソコンは殆どが半導体のSSDを使用しており、HDDは勢い大容量の方向になり、サーバーや外付けHDD、監視カメラ、コピー機等の搭載になる。さらにアップルは新型半導体「M3」を搭載したノートパソコン「MacBook Air」を3月8日に発売すると発表(2024年3月5日 日本経済新聞)。海外では台湾PC大手2社(大手の宏碁<エイサー>と華碩電脳<エイスース>)はインドで増産して輸入規制に対応。インド政府が国内ハイテク産業の育成のため、輸入規制の強化を検討していることが背景。背景にあるのは、インドの製造業における政策転換だ。また、サプラチェーンの問題から中国からベトナムやインドへ生産拠点が移されつつある。
さらに次世代の高速計算機、量子コンピュータの商用化に向けて国内の産学が2024年度に新会社を立ち上げる(2024年2月24日 日本経済新聞)。産業界からは富士通や日立製作所、NECなど約10社が参画し、30年度までに新しい方式の高性能商用機の実現をめざす日本政策投資銀行や富士通、日立、NEC、浜松ホトニクスなど約10社が参画する。
表7 量子コンピュータで有力視される2方式
| 超電導方式 | 冷却原子方式 | |
| 極低温で電気抵抗をなくした超電導の回路で計算 | 技術の概要 | 原子1個1個を「量子ビット」として操作し計算 |
| 米グーグル、米IBM、理化学研究所 | 主な開発企業・組織 | 分子科学研究所、米ハーバード大学 |
| 多くの企業が将来の活用に向け研究に利用 | 開発の状況 | 急速に研究が進展。量子ビットの安定性などが長所 |
量子コンピュータ開発の主な経緯(2024年2月27日 日本経済新聞)
・1999年:NECが超電導方式の基本素子となる量子ビットを実現
・2016年:米IBMが超電導量子コンピュータをクラウドで公開
・2019年:米グーグルが超電導方式で「量子超越」を達成
・2022年:分子科学研究所が冷却原子方式で超高速の基本演算を実証
・2023年:理化学研究所が超電導方式で「国産初号機」を稼働
・2024年:分子研や日本企業約20社が冷却原子方式の新会社設立へ
ただ最近は、サーバー系やAIを用いると消費電力の更なる増加するのが問題視され、如何に消費電力を抑えるサーバーを製作するかがカギになる。最近は消費電量の少ない培養脳のコンピュータで、神経細胞使い音声認識、省エネで電力問題に対応する研究がなされている。(2024年2月9日 日本経済新聞)。米インディアナ大学ブルーミントン校などは、人の幹細胞から作った神経細胞を集積した「培養脳」を用いて簡易なコンピュータを開発した。従来のコンピュータより少ない電力で計算できると期待される。実用化できれば、電力消費の拡大に対応する手段の一つとなる。
〇従来コンピュータとの違い
・メリット :「少ないエネルギーで学習」「学習速度が速い」
・デメリット:「細胞が生きている時間しか使えない」
〇将来は・・・・薬の効果判定などに活用期待
〇主なバイオコンピューティングの研究
・米インデアナ大学ブルーミント校:人のES細胞から作った脳オルガノイドを使い、2日間の訓練で、8人の音声を80%の確率で区別できるように
・東北大など:ラットの脳の神経細胞を基板上に培養し、「ゼロ」と「イチ」の発音を80%の精度で区別できるように
・豪コーティカル‣ラプス:人の幹細胞とマウス由来の脳の神経細胞を活用し、単純なコンピュータゲームができるように。創薬へ応用目指す
4-1-1 面記録密度
面記録密度は、色んな記録方式付加することによって少しは前進しているが、大幅な進展が見られていない。現在有力視されているHAMR(Heat Assisted Magnetic Recording)は、中々レーザー光の熱安定性から一部しか量産に投入されていなかったが、今回、ソニーのレーザーピックアップ(ナノフォトニックレーザー)を用いて、スポット径を小さくでき、容量アップし、更に媒体に超格子白金媒体(Fe-Pt)を用いて、格段に媒体の高抗磁力をアップし、さらに第7世代スピントロニクスリーダー、コントローラの組み合わせで容量アップする原動力になっている(2024年2月16日 日本経済新聞)。これは、昨年の11月の放送機器展(InterBEE)で展示されたSeagateからの説明で、問題は一応解決し、25TB、30TBなどが可能になったと聞かされていた。面記録密度は、各社とも発表されていないが、推定では現状で1.3Tbps2と思われる。また、MAMR(Magnetic Assisted Magnetic Recording)も研究開発が進められているが、高容量化の観点から見るとHAMRの方が、有利とみられている。図1には各種記録方式による面記録密度のトレンドを示す。

図1 各種方式による面記録密度のトレンド*3)
4-2 メモリ業界動向
メモリ業界の進展も著しく、パソコンは殆どがメモリであるSSD(256GB)に代わっている。ただ、大容量となるとやはり価格面での対応が、難しいようである。図2にSSDとHDDのGB当たりの価格比を示す。現状では6倍以上の差があり、直ぐに追い付くのは難しいようである。特に、これは平均だが、容量が大きくなればなるほど厳しくなる。一方で、メモリの高容量化は目覚ましく、多層タイプ(256層や300層以上)が順次出てきており、またビット数も3ビット、4ビットと発展している。またウエハーの大きさも200㎜から300㎜へとの移管の過程にあり、まだまだ価格が下げる手立ては、残っている。ただ、メモリ業界も在庫を多く抱えていたが、ようやくその目途も付き、今年後半からは徐々に回復して、行くと思われる。特にエヌビディアは、いち早くChatGTPの半導体を先行したために、好調な業績を残している。今後、ますますChatGTPの活用が活発化すると思われるのでその動向には注目に値する。
図2 HDDとSSDの価格差の推移(*4)
また、メモリカードでは、キオクシアが大容量2TBのmicroSDXCメモリカードを量産・発売(2023年12月25日 電波新聞)。世界中が国の産業として半導体を上げ、米国、欧州、日本などが半導体投資に盛んである。特に人口知能(AI)のCHatGTPが出現してからは、そのブームとなり表8に示すように各国の半導体投資には多額の金額が計上されている。また、
表8 各国での主な半導体投資計画(各社の発表から電波新聞がまとめ、2024年1月16日 電波新聞)
| 企業名 | 国・州 | 投資額(㌦/ユーロなど) | 概要 |
| 米国 | |||
| マイクロン・テクノロジー | ニューヨーク | 最大で1,000億㌦ | メモリ工場 |
| アイダホ | 150億㌦ | メモリ工場 | |
| インテル | オハイオ | 初期投資200億㌦以上 | CPU、ファンドリなど |
| アリゾナ | 最大300億㌦ | 最先端半導体 | |
| オレゴン | 数十億㌦ | 研究開発施設拡充 | |
| IBM | ニューヨーク | 200億㌦ | 量子コンピュータや半導体 |
| TI | テキサス | 300億㌦ | 300㎜半導体 |
| グローバルファウンドリーズ(GF) | ニューヨーク | 10億㌦ | 工場増設や新棟など |
| スカイウオーター・テクノロジー | ミネソタ | 米商務省やグーグルが支援 | チップ |
| Samsung電子(韓) | テキサス | 170億㌦ | 最先端ロジック |
| TSMC(台) | アリゾナ | 400億㌦ | 4nmや3nm |
| グr-バルウエーハズ | テキサス | 50億㌦ | 最先端300㎜ウエハー |
| アプライドマテリアルズ | カリフォルニア | 数十億㌦以上 | R&Dなど |
| NY州、IBM、東京エレクトロン等 | ニューヨーク | 100億㌦ | 次世代半導体開発 |
| アナログ・デバイセズ | オレゴン | 10億㌦以上 | ウエハー工場拡張 |
| 欧州 | |||
| インテル | ドイツ | 300億ユーロ(170億ユーロから増額) | 最先端チップやファウンドリ― |
| アイルランド | 120ユーロ | 新棟建設 | |
| ポーランド | 46億㌦ | 新棟建設 | |
| ボッシュ(独) | ドイツ | 30億ユーロ | 研究開発拠点、増産など |
| STマイクロエレクトロニクス | イタリア | 7.3億ユーロ | 半導体基板工場 |
| STとGF | フランス | 57億ユーロ(推定) | 300㎜ウエハー対応 |
| インフィニオン | ドイツ | 50億ユーロ | 300㎜ウエハー対応 |
| ウルフスピード(米) | ドイツ | 30億㌦ | SiC半導体やR&D |
| AMD(米) | アイルランド | 135億ユーロ | 次世代AIなど |
| アナログ・デバイセズ | アイルランド | 約7.3億ユーロ | ウエハー生産 |
| その他 | |||
| インテル | イスラエル | 250億㌦(推定) | 半導体工場 |
| マレーシア | 70億㌦以上 | 後工程 | |
| マイクロン | インド | 27.5億㌦ | 組み立てやテスト |
| Samsung電子 | 韓国 | 300兆㌆(約31兆円) | 先端半導体 |
| TI | マレーシア | 最大146億リンギット(約4,500億円) | 組み立て・検査工程 |
| インフィニオン | マレーシア | 70億ユーロ | SiC半導体 |
| AMD | インド | 4億㌦ | 設計センターなど |
主導権を握っているのは、台湾のTSMCで、世界各地に投資をしている。特に2nm以下を製作するのに、1台3億8000万㌦、重量は150㌧(高NA)EUV露光装置のスケールが装置として必要になる(*5)。2nm以下ノードの微細プロセス実現に向けて期待されている高NA(開口数)EUV(極端紫外線)露光装置のプロトタイプ「TWINSCAN EXE:5000」の初号機が、昨年末、ASML(オランダ)からIntelへ出荷されている。
日本も熊本で開設中のTSMCの半導体製造工場への投資やラピダスの各地域の工場などにも多くの補助金が国から出されている。特にAIの半導体で先行した米国のエヌビディアがシェアの8割を握っている。今後は、AIを用いた半導体がさらに活況を制するものと思われる。
4-3 HDDとメモリの今後の展開
HDDもSSDもそれぞれに特徴があり、特にSSDは比較的容量が小さくて即応性が必要な場合に、HDDは大容量で永久保存的なデータのアーカイブに用いられる傾向にある。ドイツの調査会社スタティスタは世界のデータ生成量が2025年に181ZBになると言われており、情報量の増加はうなぎのぼりで無限に広がると言ってよい。その意味でアーカイブは重要な役割を持つ。図3は世界のモバイルネットワークデータトラフィックの例を示している。

図3 世界のモバイルネットワークのトラフィック(EB/月)(2024年1月24日 電波新聞)
HDDは一時は6億5千万台生産されたこともあるが、現在はパソコンが殆どSSDに置き換わり、高容量やサーバー、外付けHDD、監視カメラ、コピー機、アーカイブ用に用いられている。昨年(2023年)のHDDの生産量はテクノ・システム・リサーチの資料によると1億2,230万台(前年比29%減)と大幅に減少し、これはコロナ感染の影響もあるが2024年度は1億2,150万台(同0.6%減)の微減にとどまると予想されている。この年を底に、さらに2025年には1億2900万台(同6.2%増)と増加が見込まれている。その要因は、サーバー系や監視カメラ、外付けHDDの増加が期待されている点にある。そのHDDとSSDの出荷推移を図4に示す。一方、SSDの方は、2023年は、3億1,980万台(前年比8.2%減)、2024年の予測は3億5,130万台(同9.9%増)を予想している。2023年がHDDとSSD共に減少しているのはコロナ感染の影響で消費や投資がストップしたためと思われる。図5はHDDとSDDの㌦/GBの価格推移を、またHDDとSSDの生産容量の推移を図4に示す。出荷台数は圧倒的にSSDが多いが、容量でみると逆にHDDの方が大幅に増加している。
図4 HDDとSSDの生産実績と今後の予想*4)
図5 HDDとSSDの年度別の価格推移(㌦/GB)*4)
図6 HDDとSSDの出荷容量推移*4)
5 今後の期待される分野
前述のごとく、数量の多いパソコンはSSDへ変わっていったが、大容量はサーバーを含めてHDDであり、今後は、まだパソコンが行き届いていない国の開拓や、製品では前から述べているホームサーバー(10TB)が普及してもいいのではないかと思われる。世界には約10億世帯があるので、1%でも1億台の大容量の市場が開拓できる。また年々増える情報量には、データセンターの増設は必須で、遅延を含めるとできるだけ使用近辺にデータセンターがあるのが望ましく、日本でも東京、大阪の集中から地方へのデータセンターの分散が始まっている。資料は古いがデータセンターレポート(株)日本政策の2021年11月レポートでは、世界には8,153棟のデータセンターがあると報告されている。いずれにしろ、無限に生じる大容量の情報保存にはHDDが必須と思われ、特に世界各地にデータセンターの建設が必須となるので、そのためのHDDの大容量は重要な技術開発のポイントになる。
6 まとめと今後の展開
世界は、とにかく大きく3つの点、すなわち「ウクライナへのロシア侵攻の終結」「イスラエルとハマスの戦争の終結」、そして「気候変動に関する世界共通の地球温暖化の原因のCO2の削減」を、世界の国々が、足並みを同じ方向へ揃える必要がある。そして自由主義や権威主義にとらわれず、お互いが徹底した話し合いで、解決し、国連が機能する世界に持っていく必要がある。また今年は、多くの重要な選挙があるが、その中でも11月5日の米国の大統領選挙には、世界の方向が逆転する可能性があるので注目に値する。一方、日本は、政治パーティの政治資金の使い道と報告に不透明感があり、連日、国会で追及されているが、ピリッとしない。日本には多くの問題を抱えているおり、特に「経済政策」「少子高齢化による人口減少問題」「女性の地位向上」、もっとも大きいのは、「日本の将来ビジョン」が示されていないところにある。中国の全人代の5ヵ年計画の様に、日本も少なくとも20、30年後の日本が、技術面、人材面、人口面、産業面、各都市の姿や産業などの方向性を示すべきである。その為には、カリスマ的に人材の育成が重要と思われる。
一方、ストレージの面では、AI(人工知能)ブームで、半導体を中心とした世界の動きの中で、日本も遅まきながら政府が台湾のTSMCの日本工場建設に伴い大幅な補助金をだして、日本の半導体の強みを発揮できる環境を整えている。ただ、HDDに関しては、数量の出るパソコンがSSDに置き代わったが、大容量のアーカイブのためにはデータセンターを中心にした大容量のHDDが必要であり、今後は面記録密度の向上とディスク1枚当たりの容量を2.5TBから、3TB、4TB、5TBと上げて行き、ディスク10枚で30TB、40TB、50TBの容量が実現できるような技術開発が早急に望まれる。HDDの台数は、昨年(2023年)は1億2,230万台(前年比29%減)と大幅に減少したが、2024年度は1億2,150万台(同0.6%減)の微減にとどまると予想されている*)。この年を底に、さらに2025年には1億2900万台(同6.2%増)と増加が見込んでいる。今後の情報量の増大に対しては大容量のHDDは必須と思われる。HDDなくしては、世界の情報は蓄えられないと思われるので、もうひと頑張り技術開発者に技術力を示して欲しいと期待する次第だ(作成2024年3月11日)。
参考資料
*1)「2022年のコロナ感染と共存した世界経済とストレージ・HDD業界展望」(2022年2月8日 堀内義章)
*2)「新春・2023年の世界経済とストレージ・HDDの業界展望」(2023年3月16日 堀内義章)
*3)2023年のSRCの面記録密度のトレンド
*4) 2024年3月 テクノ・システム・リサーチ資料
*5)2024年2月25日 EE Times
堀内義章
1941年8月25日生まれ、東京生まれの九州育ち(福岡・飯塚)。1965年大阪工業大学卒、日本大学大学院国際情報研究科修士修了(2004年)。三洋電機(株)中央研究所入社。主に、フェライトの多結晶・単結晶の開発導入、VTR用磁気ヘッドの開発・生産導入、HDD用MIIGヘッド、ベータ・VHS用ヘッド、8ミリ用磁気ヘッド、ベータ・VKS・8ミリ用磁気ドラム開発生産導入、以降営業部にてマーケティング、2001年定年退職後、個人事務所「HORI Technology Office」設立。マーケティングを中心に各種レポート発表中。専門は磁気記録(VTRヘッド、ドラム、HDDヘッドマーケティング)。(一社)南太平洋協会・副代表理事長、日本旅のペンクラブ会員(元理事)、IDEMA JAPAN・会員(元理事)、(一社)災害復旧支援ダッシュ隊・会員、民博パートナーズ(MMP)会員、楽酒の会世話人
H29年 (2017年)卒のOB短信
電気電子工学専攻を2019年に卒業後、ローム(株)に入社した池 広大と申します。2023年から電子クラブ幹事に任命いただきましたので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。この度、OB短信を執筆する機会をいただいたので、自己紹介も兼ねて私の在学時代を振り返りたいと思います。
私は学部4年生までは平凡な学生生活を送っていましたが、当時の小池 一歩先生(現学科長)、矢野 満明先生(現名誉教授)の研究内容に大変興味を持ったことをきっかけに大学院進学を志していました。ところが、そのとき交際していた現妻と突然にも子供を授かることとなり、学生結婚を果たしてあっという間に1児の父親となってしまいました。当然、家族を養うために進学は諦めることになると思われましたが、私はどうしても進学を諦めきれませんでした。そこで、子を持ちながら学生でいさせて欲しいという我がままを妻と義両親に聞き入れてもらうため、出来るかもわからない誓いを立ててしまいました。その誓いとは、大学院で成果を挙げ奨学金の返還免除を受けることと、大企業に就職することです。これで、なんとか進学を許してもらえたのですが、今度は妻子ができたことを研究室の矢野先生、小池先生にお伝えする必要がありました。しかし、私はまだ学生で考えが浅かったので、先生方に怒られて進学を取り消されるのではないかという思い込みをしてしまい、大学院入学までの1年間は内緒にしてしまおうと心に決めました。隠し通すのはかなり難しく、特に実家から妻が産気づいたと連絡が来たときには、先生方にバレてしまうのでゼミを抜け出せず、危うく出産に立ち会えないところでした。結局、入学の直前に先生方に打ち明けた際には怒られるどころか大変ご祝福いただいたので、子供ができたくらいで進学を取り消すような鬼のような先生方だと思い込んでいたことを深く反省することとなりました。
進学後はD科の他の先生方にも私が妻子持ちの大学院生であることが広まっていきました。当時、副学長(現名誉教授)の小寺 正敏先生の大学院の授業で超音波エコーに関する調査報告をしたときには、妻のお腹にいる長女のエコー映像をプレゼンで使用し、小寺先生が目を丸くされていたことをよく覚えています。そこから色々な先生方に伝わって、他の先生方からも励ましのお言葉をかけていただくようになりました。今になって思い返せば、お子様がおられる先生方が多いので子育ての大変さや楽しみを理解いただきながら接してくださっていたということを痛感しています。また、私が先生方に相談事があると言うと「まさか2人目が産まれるのか!?」とイジられることも定番のネタになっていましたが、大学院2年の後半には本当に長男を授かり、2児の父親となりました。
このような大学生活でしたが、特に研究室の小池先生方と矢野先生には非常にお世話になり、私もなるべく妻子がいることを言い訳にせず研究に励むことができました。また、妻が社会人として自立していたので私は朝から夜遅くまで研究に没頭できました。そのお陰で、応用物理学会や日本材料学会といった著名な学会で賞を与る成果をあげることができ、奨学金の返還免除も受けることができました。このバックグラウンドが就活にも生かされ、第1志望のローム(株)にもすんなり入社できました。奇跡的に当初立てた2つの誓いは果たされたわけですが、家族や先生方の支えがなければ到底達成できなかったと思います。
さて、月日は早いもので、だらしなかった学生の私をここまで成長させてくれたきっかけとなった長女はもう小学1年生、長男は4歳になりました。私は入社5年目となり、かなり責任のある仕事も任せてもらえるようになりました。当然、成果を上げなければならないプレッシャーや上手くいかないストレスにも直面しますが、進学前に子供ができたあのどうしようもない局面に比べれば幾分かマシに思えてきます。昨今は晩婚化し、20歳近く年上の先輩社員のお子さんが私の子どもよりも年下ということも珍しくありません。それに比べれば、まだまだ手がかかるとはいえ、私が働き盛りの時期に子供がある程度成長していることは大きなメリットになっています。
この度、学生時代を振り返って思ったことは、何かの出来事をきっかけに人生計画が破綻したように見えても、実は人生は不思議なバランスを保っていて、耐え忍べば案外うまくいくこともあるということです。それを教訓にして、私は困難に直面したとしても、それは成長や新しい出会いに繋がるではないかとポジティブに捉えて立ち向かうことができています。このような経験をさせてくださった先生方と家族に改めて感謝したいと思います。
H27年 (2015年)卒のOB短信
電気電子工学専攻を2017年に卒業した宮下悠生と申します。
大学院を卒業してから早7年が経過しました。
私は、5年目に一度転職して現在はエーピーコミュニケーションズ株式会社(https://www.ap-com.co.jp/)という東京のシステムインテグレータの会社にいます。会社としては、ITインフラ自動化やパブリッククラウドに強く、社員がほとんどエンジニアで構成されているエンジニアファーストな会社です。東京の会社ですがテレワークメインの会社で今でも東京の自宅から完全テレワークで業務しています。チームには九州や北陸の地方の人もテレワークで参加しており働き方が変わってきたなと感じます。最近では、「手のひらネットワーク機器」というネットワーク機器をミニチュア化したカプセルトイを企画・監修してTwitterで話題になっていたりしています。
私の業務としては、ネットワーク自動化の部署に所属しており、プロジェクトリーダとして案件に携わっています。主にAnsibleという構成管理ツールと他のアプリケーションを組み合わせて顧客の運用・構築周りの課題を解決しています。ベンダー問わずネットワーク機器やサーバの設計・構築を行ったり、スクリプトを書くのがメインですが最近はWBSとにらめっこすることが多いです。
WBSはプロジェクト全体を細かな作業に分割し、複数人で役割分担した進捗や実績を管理できるようにするものです。例えば、アプリケーションを作るとなると設計、構築、試験の工程があり、その中でもさらに「画面を作る」、「○○の部分のプログラミングをする」のように具体的なレベルまで落とし込むことができます。このように、分割していくことでやるべきことを明確にして、正確な工数を積算することができます。例えば、アプリケーションを作るとなったときに大きくはサーバを作る工程とアプリケーションを作る工程があり、その中でもさらにタスクがあります。それらを円滑に進めるようにWBSを使ってスケジュールを組んでいます。
また、プロフェッショナル職というブログや外部登壇などのアウトプットも評価される仕組みがあり、私も最近書籍への寄稿や客先・OSS(オープンソースソフトウェア)コミュニティの勉強会に登壇しています。OSSはソースコードが自由に公開され、無償で利用できるソフトウェアのことです。私は、その中の業務でも利用しているAnsibleやNetBoxといったIT自動化に関係するソフトウェアに関わっています。私自身、プログラミングが好きで趣味で簡易Webアプリを開発したり、OSSをいじったりしているのでそういった活動が評価される今の会社にはとても満足しています。
その中で感じるのは、在学時に学会発表や論文作成を学んでいてよかったということです。もともと文章を書くことや人前で発表することは得意ではなく、発表資料を作っては毎回指摘をもらい、発表当日も空回りしてしまうことが多々あり、在学中はかなり苦労していました。社会人に入ってからも同様でしたが、数をこなしていくうちにプレゼンを行う上で次の2つが重要だと感じ意識するようにしました。
①聴講者を考えて資料構成を考えること
②質疑応答は負けない意思を持つこと
①については、聴講者が何を望んで聞いているのか?概要部分の説明だけでいいのか技術的な細かいところを説明するのか?を意識することが大事だと考えています。意識していないと、聴講者がプレゼン内容を理解できず、無駄な時間をとってしまうことになります。大学時代でも、学会発表で技術的な内容をしゃべりすぎて周りがぽかんとなってしまったことが思い出されます。また、資料構成の順序が整っていると原稿を覚えていなくてもなんとなくで伝わるのでとても重要だと感じます。
②については、私は質問をくれる人が真の聴講者だと思っており、その人が満足できればそれでプレゼンは成功だと考えています。学術発表と社会人でプレゼンの目的は違っていますが、心持ちは同じです。時にはマサカリ(厳しい質問)が飛んでくることもあります。論理武装はもちろん大事ですが、相手に押されない気持ちが大事なのだと考えています。
このようなことが重要だと感じることができたのは、研究室に入り毎年学会発表に参加させてもらい、留学・国際学会発表にも挑戦させていただいたおかげだと思います。まだまだ未熟ですが学生のときに経験した6年間は社会人になってもとても重要だと感じました。流行病も落ち着きはじめ、発表の機会が増えてきているので今後も経験を活かしていきます。
H10年卒のOB短信
H10年卒 吉田 誠
このたびOB短信を書かせていただくということで、これまでの自身の振り返りやこれからの目標を再び点検するタイミングをいただいたようで本当にありがたいです。駄文ではありますがどなたかのお役に立てましたら幸いです。
私は現在、社会人として働きつつ奈良先端科学技術大学院大学の先端科学技術研究科博士後期課程で学んでいる社会人20数年越えの学生です。
技術者としてのこれまでの取り組みや、なぜ今大学院に通っているのかなど含め報告させていただければと思います。
大学を卒業してからは、アナログ回路設計や高周波回路設計を主にやってきました。技術者として非常に恵まれたのは、当時あちこちのセミナーや講演会を聞きに行く機会をいただけたので第一線で活躍するその道の第一人者の方々とたくさん交流できたことです。
今でも年賀状のやり取りや食事など交流が続いています。その時感じたのは一流の技術者の方の多くは非常に腰が低くこちらが恐縮してしまうほど謙虚な方が多いということでした。また、好奇心もとても旺盛な方が多いように思います。
ある技術者の方とお話ししていますと「こんなことしてみたらどうだろうか」などアイデアがつぎつぎと出て「面白い面白い」とお話を伺いながら、その源は何かなとふと思いつつ伺ってみますと、専門分野に限らず、めずらしい技術や面白い発想のある技術など常に貪欲にアンテナを張っておられ、いったん抽象化して自身の分野との共通項や使える要素はないかなど考えておられるようです。
また、講演を聞いてとてもわかりやすく解説された別の技術者ですが、この方にゆっくりお話を伺ってみますと専門知識についても深く考察される時間を持たれているように感じました。講演のたとえ話などがとても分かりやすいのも色々な目線からの観察力のためなんだなと感じました。
恵まれた出会いの中、私もこんな技術者になりたいなと背中を見させていただき、アンテナを張るように心がけるのが日課になりました。先輩技術者からしたら、「まだまだ」かもしれませんが、引き続き精進しているところです。
このような前向きな方が近くにいていただいたおかげか、一念発起して電気電子部門の技術士の試験を受け2014年には資格を取得、回路の世界ではいくつか特許も取らせていただくことができ非常に充実した技術者生活でしたが、もう1歩達成したい目標がありました。それは小学校からの夢であった博士号を取ることです。
しかしいつ通うのか・・・いったん社会人を引退して大学院にとも考えましたが生活面の維持も必要ですのでいろいろと考えていたところ、会社の共同研究先の大学で社会人ドクターという道があることを知りました。
そここで人生で久しぶりの入学試験を受け2020年に合格し、入学するときにはガイダンスもあり学生時代に戻った気分を味わいました。早いものでそれから1年たち現在博士課程2年生ですが、妻や家族に協力してもらいながら研究に、論文作成にと主に土日を使って進めています。
研究内容はAIのためのセンサー回路などで、AIが識別しやすい特徴量をいかににセンサー側で持たせるかこれまで取れなかった事象をセンシングするにはどうしたらよいかなどです。回路とソフトウェアの間のような研究で回路設計とソフトウェアのコーディングと両方行っています。
ところで趣味では回路好きからこうじて半導体にも興味があるためこちらは独学ですがS・M.Szeの半導体デバイスの本や量子力学の勉強を改めて少しずつ進めていたのですがなんと入学した先端研究科は半導体をやっている学科も含まれているため、半導体の講義を聴講することもできるようでリフレッシュがてら、ものすごく得した気分で聴講もしています。ちょうどコロナ渦の影響もあり在宅で見ることもできる講義も多いため助かっています。
そんな学生生活は若い学生とも仲良くさせてもらい、幾分歳が若返ったような気になりましたが喜んでいるのもつかの間、大きな壁が待っていました。授業は博士後期課程ということでほとんどありませんが、英語が基本となっており大学時代も英語は苦手だったので非常に焦りました。今どきの英語アプリやYoutubeを活用して英語の特訓をし、なんとか「聞く」「話す」を少しずつできるようになってきたくらいのレベルです。
専門性のある英語は読み取り易き聴きやすいですので何とかなりますが、やはり語学はしっかり身に着けておかないとと実感しています。
いろいろと課題が多い学生生活ですが先日、情報処理学会の山下記念研究賞という賞をいただくことができました。本年3月受賞式もあるようで参加させていただこうと思っています。
卒業までにはまだまだ研究成果を積まないといけませんが、家族に感謝しつつ仕事と学業と家庭の両立に励み、いつか会った先輩技術者の様になれるよう貪欲に技術一直線で取り組んでいきたいと思います。
最後にこのような報告の機会をいただきありがとうございました。
H40年卒のOB短信
近況・満80歳に思う
~筋トレとライフワーク継続で活力がみなぎる~
ストレージアナリスト 堀内義章(D40年卒)
今年の8月25日で満80歳になる。自分自身実感はなく、ここまで生きれるとは思ってもいなく、幸い持病はあるものの、まだ週に1回テニスがやれる程度に動けていて元気で日常生活を続けている。大学を卒業して56年、会社をリタイアして20年。でも幸いにストレージの世界では、ストレージアナリストの名称で、学会への招待講演や、専門機関での年1回の「世界経済とストレージ、HDDの業界展望」を現在でも発表・継続している。ライフワークにしている専門の磁気記録を始めて56年目になる。
振り返ってみると、入社1年目から積極的に活動を続け、その中で基本にしているのが
1)人の悪口を言わない 2)人と比較しない 3)何事にも前向き、くよくよしない
4)好奇心旺盛 5)知らない分野への挑戦 6)筋力をつけるストレッチ継続 7)読書を続ける 8)ボランティア活動 9)本音で話す 10)海外100カ国は訪問する
を基本にして、現在も積極的に進めている。今の生活ベースは
1)ライフワークである専門のストレージのマーケティング(新聞4紙<日経、朝日、電波、大阪日日>の購入と図書館へ専門2紙調査<日刊工業、日経産業>)
2)ボランティア活動(海外ボランティア・パプアニューギニア、災害復旧支援ダッシュ隊、民博ミュージアム・パートナーズ<国立民族学博物館>)
3)運動(毎朝晩の自宅での筋トレ、週1回のテニス、1日平均1万歩)
4)読書(基本は年間400冊、近くにサダ図書館)
5)海外100カ国の訪問(現在、85カ国)
6)過去の写真、年間活動ファイルの整理、手帳での年間活動記録のまとめ
7)絵画、茶道具、美術全書とうの整理と室内の不良品の破棄
8)過去に過去に書き溜めた随筆などの一括まとめ
9)遺産としての整理と、後継者への移管準備
10)一応、最低90歳、最大で100歳までのプラン
などを中心に、80歳から有終の美を飾れる店じまいの準備段階に入ろうと思っている。
そこで、簡単に私の企業生活とリタイア後について整理してみます。
1965年(昭和40年)に三洋電機(株)に入社、約3カ月の向上実習を終えて、中央研究所に配属された。配属先は磁性材料の研究室で、将来のVTR用材料の開発をテーマとして、先ずは、多結晶でNi-Ziフェライト、Mn-Znフェライトを開発。この時、研究室で焼成炉まで自作した。そして初めてMn-Znフェライト多結晶とセンダストを組み合わせた複合型のビデオヘッドを開発し、工業用VTRに搭載、1970年の吹田の大阪万博に出展し、無事動作した。この時、サンヨー館で人間洗濯機が出されたのは、今でも語り草になっている。7年間の研究所での開発を終え、事業部へ移管し、3年間の量産試作の後に、事業化に成功している。その後、単結晶フェライトの開発やVコード、オープンリール型VTR、ベータVTR、VHS・VTR、8ミリビデオ用の磁気ヘッドを開発・生産導入を果たした。その間にVHS用ドラムの開発、8ミリドラムの開発も行い生産に導入している。また、高周波に対応するために単結晶フェライトのギャップ付近に金属(センダスト)を付着させたMIG(メタル・イン・ギャップ)も開発し、ちょうど1990年代は、まだHDDが50MBの時代だったので、MIGでHDD用ヘッドに参入、その後、MR(Magnetic Resistance)やGMR(Giant Magnetic Resistance)に参入している。HDD関連のヘッドになるとどちらかといえば、マーケティングを中心に、対外折衝が多くなった。途中、VTRを製造している事業部から部品専用の部品事業部へ変わり、磁気ヘッド外販事業にゼロかたら着手し、多いときで市場の60%のシェアを取ったこともある。幸いに、会社にいる間は、一つの専門分野を続けられたことが、リタイア後も外部との人間関係の構築ができ、現状の続いている要因になっています。特に、IDEMA JAPAN(HDD協会)の理事を2年間(途中で三洋が、HDDヘッドからの撤退)行い、さらに現状では理事待遇で、協賛会員として理事会にも現状でも参加しています。また会社にいる間に、多くの対外人脈ができたことは、リタイア後にも大きく影響しています。
リタイア後には、2年目に個人事務所HORI Technoloy Officeを開設して、専門のストレージマーケティングを中心に活動。講演や寄稿、毎月・ストレージの情報発信を続けている。 社外人脈は、多くの協会・団体へ参加して活動することで貢献しています。まずは、(一社)南太平洋協会(副理事長)は、オセアニア14カ国を支援する会で、特にパプアニューニアには12回、2週間電気も風呂もトイレもないジャングルで現地支援をしています。また、協会から出している旧暦カレンダーは、日本人の季節感を味合うのにぴったりのカレンダーでこの普及に努めています。災害復旧支援ダッシュ隊は、2011年の東日本大震災の時に発足した会で、今年10年目を迎えています。主に東北、茨城、琵琶湖、和歌山、岡山、福岡、熊本などに災害支援で出動しています。民博ミュージアムパートナーズ(MMP)は、吹田にある国立民族学博物館のボランティアで、2007年に予算取れる団体として発足に尽力し、現状も細々ながら継続しています。世界の民族学の地の終結です。他に、大阪工業大学校友会の相談役や電子クラブの相談役も行っています。一方で、日本旅のペンクラブ(理事)も活動を続け、旅ペン関西部としてお世話をしています。その中で、「大阪日日新聞に「旅ペン関西部便り」を毎週掲載しており、その記事も担当しており、関西メンバーに執筆依頼をしています。さらに、月刊奈良には、年1回投稿、今年は9月号に掲載される予定。また、楽酒の会(現世話人)も約50名の会員で、毎月1回、日本酒を4~5種類味わっています。今コロナ感染で中断していますが、すでに169回を開催しました。日本の伝統での茶道は、24歳から7年間稽古に通い、現在では初釜やお茶会に顔を出す程度ですが、毎月の自宅で月初めにお菓子と抹茶を頂いています。週1回のテニスと年に何回か昔のテニス仲間が集まり、人的交流を続け、仲間が丹波に黒豆の畑を持っているので、毎年10月後半に丹波へ行き、黒豆刈りをします。その他、専門ではIDEMA JAPANの協賛会員(理事待遇)で、年間計画や理事会に参加して、会を盛り立ています。海外は旅行や仕事も含めて85カ国を訪問し、今後100カ国を目指しています(今コロナ感染拡大で海外には出れないが)。読書は年間400冊目安で、ジャンルを問わず、乱読しています。幸いに近くに蹉跎図書館(駅に行くまでの途中)があり、新刊本が多いので、大いに活用しています。
何せ、死ぬ時期が不明なので、いつ突然どうなるかは不明。80歳を超すと、色んな機能が落ちてくるので、覚悟をしながら、毎日を悔いなく過ごすのが一番。この歳になって、生き方云々ではなく、今後どう社会に貢献しながら生きていけるかが課題で、いつも社会にお返しする積りで行動している。ただ今、言えることは、専門で博士号をとるならば、若いときに研究成果をすぐまとめることが重要。筆者もビデオヘッドの開発をまとめようと思っていたが、すでにVTRが消えゆく技術、次のHDDも大容量は残るが一般的メモリはフラッシュメモリやSSD(ソリッド・ステート・シリコン)にとって代わろうとしているので、最先端の時にまとめるのがいい。技術の進歩は早いので。若い人は、体力をつけることと生涯のライフワークを持つことが重要。実際にリタイアしてからの人生が勝負になる。だた、忠告したいのは、最近はコロナ感染拡大のために、在宅勤務やリモート会議が増え、人同士の折衝が大幅に減少しています。しかし、人間はアナログ。人と人との対面接触は、話し方、動作、声の調子や表情で読み取れるもので、感情、つまりテレパシーは、多分人間でないと不可能だと思えるので、科学技術が進歩してもフェース・ツー・フェースは必要で、人間としての存在感を示せるものです。筆者は、幸いに茶道を若いときにみっちりやったので、その精神が、今生かされています。
従って、80歳を機に、今後は
1) 今まで経験したノウハウを、社会へのお返しすること
2) 90~100歳へ向かっての店じまいの準備で、モノを整理して廃棄していくこと
3) 専門や過去に書いて随筆をまとめ、一冊の本にすること
4) 過去多く撮った写真整理と処分
5) 健康維持のためのテニス、朝晩の筋トレ・ストレッチ、ウオーキングの継続
6) 各会へのお世話(日本旅のペンクラブ、楽酒の会、L&L21親睦会、蝮会<テニス>、あこがれG、IDEMA JAPAN、各種お茶会、
7) アルトサックスのマスター
8) 世界100カ国訪問
9) 小説を書くこと
10)読書の継続(年間400冊)
などを目標に、更にチャレンジしていく積りである。
〇堀内義章への意見・問い合わせ先:yhoriuchi@datagate.jp 090-8532-7533
堀内義章
1941年8月25日生まれ、東京生まれの九州育ち(福岡・飯塚)。1965年大阪工業大学卒、日本大学大学院国際情報研究科修士修了、京都創政塾卒(政治家を育てる会)。三洋電機(株)中央研究所入社。2001年定年退職後、個人事務所「HORI Technology Office」設立。マーケティングを中心に各種レポート発表中。専門は磁気記録(VTRヘッド、ドラム、HDDヘッドマーケティング)。大阪工業大学校友会参与・電子クラブ相談役、(一社)南太平洋協会・副理事長、日本旅のペンクラブ・理事、IDEMA JAPAN・協賛会員、(一社)災害復旧支援ダッシュ隊・会員
(作成:2021年8月3日)
H29年(2017年)卒のOB短信
西岡 正治 (Masaharu Nishioka)
光洋機械工業株式会社 (http://www.koyo-machine.co.jp/)
工作機械・メカトロニクス事業本部 設計部 制御設計グループ
2015年 工学部 電子情報通信工学科 卒業
2017年 工学研究科 電気電子工学専攻博士前期課程 修了
私は、大阪府八尾市に本社を置く光洋機械工業株式会社で工作機械の制御設計を担当させていただいています。1961年に光洋精工株式会社(現(株)ジェイテクト)より分離独立し、工作機械メーカーとしては「センタレス研削盤」や「平面研削盤」などの製品で国内トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。また、自動車部品の重要保安部品である「インターミディエイトシャフト」の製造においては世界トップクラスのシェアを占めています。
大阪工業大学へ進学したきっかけは、元々数学や物理・化学などの分野が好きであったこと、無線の製造に携わっていた叔父の影響もあり電気や通信などの勉強がしたいという2つの点から電子情報通信工学科を選びました。
大学では色々な講義がありましたが、その中でも神村先生の「レーザー工学」の講義で興味を持つようになり「レーザー研究室」に所属しました。卒業研究のテーマの中で、一般教養学科の先生方との共同研究を行うものがありました。化学合成法を用いることで新しいレーザー材料となる半導体試料を作製し、物性評価を行う研究内容にとても興味を惹かれ、このテーマを選択し卒業研究に取り組みました。白衣を着て様々な合成を行う実験や、作製した試料をレーザーで測定するラマン分光測定や電子顕微鏡での観察は、それまでのアナログ電子回路を用いた実験とは違った新鮮さを感じました。
大学院に進学してからも共同研究を続けることを決め、化学合成法を用いた希薄磁性半導体の作製・評価を行う研究に取り組みました。作製した試料の物性を分析するためにX線回折測定や、磁化測定などの測定方法を取り入れることで多角的な視点から評価を行う方法を学びました。また、(地独)大阪市立工業研究所(現(地独)大阪産業技術研究所)の先生方との共同研究を行う機会があり、試料作成や実験通じて外部の研究者の方と意見を交えることで多くの事を学びました。
さらに、神村先生のご支援や共同研究先の先生の紹介を通じて短期留学といった貴重な経験をさせていただきました。留学先は中国・上海にある上海師範大学で中国の多様な文化に触れ、多くの友人を作ることができました。また上海は地下鉄網がとても発達しており日本に比べて安い料金でかなり遠くまで乗ることができることや、公安部による監視が厳しく荷物検査が徹底されていた点が印象に残っています。 光洋機械工業へ入社後は半年間の現場での実習があり機械の配線作業や生産ラインで組み立て作業に取り組み、その後設計部の制御設計グループへ配属されました。現在の業務内容は「平面研削盤」のハード・ソフト両方の設計を担当させていただいています。ハード設計では機械本体に取付けられる制御盤・操作盤のサイズや、お客様の仕様
に合った制御部品や周辺機器の選定を行い電気回路図の作成を行っています。弊社では機械の大部分を機械設計が、電気に関わる部分は制御設計が担当し、部品の選定と手配が別になることがあります。構造上の干渉を避けるために機器などの取付け寸法や、選定部品の確認を行うことはとても重要になります。ソフト設計では主にシーケンサーやNCプログラムを用いて機械がどのように動作するべきか、どのようにあるべきかと考えながら組み上げます。場合によっては1から組む必要があるため難しい時もありますが、自分で考えたプログラムが正常に動作した時の達成感は感慨深いものがあります。
入社してもう3年目という感覚ですが、まだまだ社会人としてはこれからなので日々努力を重ねることでレベルアップできるように頑張ります。
