H27年 (2015年)卒のOB短信

電気電子工学専攻を2017年に卒業した宮下悠生と申します。

大学院を卒業してから早7年が経過しました。

私は、5年目に一度転職して現在はエーピーコミュニケーションズ株式会社(https://www.ap-com.co.jp/)という東京のシステムインテグレータの会社にいます。会社としては、ITインフラ自動化やパブリッククラウドに強く、社員がほとんどエンジニアで構成されているエンジニアファーストな会社です。東京の会社ですがテレワークメインの会社で今でも東京の自宅から完全テレワークで業務しています。チームには九州や北陸の地方の人もテレワークで参加しており働き方が変わってきたなと感じます。最近では、「手のひらネットワーク機器」というネットワーク機器をミニチュア化したカプセルトイを企画・監修してTwitterで話題になっていたりしています。

私の業務としては、ネットワーク自動化の部署に所属しており、プロジェクトリーダとして案件に携わっています。主にAnsibleという構成管理ツールと他のアプリケーションを組み合わせて顧客の運用・構築周りの課題を解決しています。ベンダー問わずネットワーク機器やサーバの設計・構築を行ったり、スクリプトを書くのがメインですが最近はWBSとにらめっこすることが多いです。

WBSはプロジェクト全体を細かな作業に分割し、複数人で役割分担した進捗や実績を管理できるようにするものです。例えば、アプリケーションを作るとなると設計、構築、試験の工程があり、その中でもさらに「画面を作る」、「○○の部分のプログラミングをする」のように具体的なレベルまで落とし込むことができます。このように、分割していくことでやるべきことを明確にして、正確な工数を積算することができます。例えば、アプリケーションを作るとなったときに大きくはサーバを作る工程とアプリケーションを作る工程があり、その中でもさらにタスクがあります。それらを円滑に進めるようにWBSを使ってスケジュールを組んでいます。

また、プロフェッショナル職というブログや外部登壇などのアウトプットも評価される仕組みがあり、私も最近書籍への寄稿や客先・OSS(オープンソースソフトウェア)コミュニティの勉強会に登壇しています。OSSはソースコードが自由に公開され、無償で利用できるソフトウェアのことです。私は、その中の業務でも利用しているAnsibleやNetBoxといったIT自動化に関係するソフトウェアに関わっています。私自身、プログラミングが好きで趣味で簡易Webアプリを開発したり、OSSをいじったりしているのでそういった活動が評価される今の会社にはとても満足しています。

その中で感じるのは、在学時に学会発表や論文作成を学んでいてよかったということです。もともと文章を書くことや人前で発表することは得意ではなく、発表資料を作っては毎回指摘をもらい、発表当日も空回りしてしまうことが多々あり、在学中はかなり苦労していました。社会人に入ってからも同様でしたが、数をこなしていくうちにプレゼンを行う上で次の2つが重要だと感じ意識するようにしました。

①聴講者を考えて資料構成を考えること

②質疑応答は負けない意思を持つこと

①については、聴講者が何を望んで聞いているのか?概要部分の説明だけでいいのか技術的な細かいところを説明するのか?を意識することが大事だと考えています。意識していないと、聴講者がプレゼン内容を理解できず、無駄な時間をとってしまうことになります。大学時代でも、学会発表で技術的な内容をしゃべりすぎて周りがぽかんとなってしまったことが思い出されます。また、資料構成の順序が整っていると原稿を覚えていなくてもなんとなくで伝わるのでとても重要だと感じます。

②については、私は質問をくれる人が真の聴講者だと思っており、その人が満足できればそれでプレゼンは成功だと考えています。学術発表と社会人でプレゼンの目的は違っていますが、心持ちは同じです。時にはマサカリ(厳しい質問)が飛んでくることもあります。論理武装はもちろん大事ですが、相手に押されない気持ちが大事なのだと考えています。

このようなことが重要だと感じることができたのは、研究室に入り毎年学会発表に参加させてもらい、留学・国際学会発表にも挑戦させていただいたおかげだと思います。まだまだ未熟ですが学生のときに経験した6年間は社会人になってもとても重要だと感じました。流行病も落ち着きはじめ、発表の機会が増えてきているので今後も経験を活かしていきます。