H29年(2017年)卒のOB短信

西岡 正治 (Masaharu Nishioka)
光洋機械工業株式会社 (http://www.koyo-machine.co.jp/)
工作機械・メカトロニクス事業本部 設計部 制御設計グループ

2015年 工学部 電子情報通信工学科 卒業
2017年 工学研究科 電気電子工学専攻博士前期課程 修了

私は、大阪府八尾市に本社を置く光洋機械工業株式会社で工作機械の制御設計を担当させていただいています。1961年に光洋精工株式会社(現(株)ジェイテクト)より分離独立し、工作機械メーカーとしては「センタレス研削盤」や「平面研削盤」などの製品で国内トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。また、自動車部品の重要保安部品である「インターミディエイトシャフト」の製造においては世界トップクラスのシェアを占めています。
大阪工業大学へ進学したきっかけは、元々数学や物理・化学などの分野が好きであったこと、無線の製造に携わっていた叔父の影響もあり電気や通信などの勉強がしたいという2つの点から電子情報通信工学科を選びました。
大学では色々な講義がありましたが、その中でも神村先生の「レーザー工学」の講義で興味を持つようになり「レーザー研究室」に所属しました。卒業研究のテーマの中で、一般教養学科の先生方との共同研究を行うものがありました。化学合成法を用いることで新しいレーザー材料となる半導体試料を作製し、物性評価を行う研究内容にとても興味を惹かれ、このテーマを選択し卒業研究に取り組みました。白衣を着て様々な合成を行う実験や、作製した試料をレーザーで測定するラマン分光測定や電子顕微鏡での観察は、それまでのアナログ電子回路を用いた実験とは違った新鮮さを感じました。
大学院に進学してからも共同研究を続けることを決め、化学合成法を用いた希薄磁性半導体の作製・評価を行う研究に取り組みました。作製した試料の物性を分析するためにX線回折測定や、磁化測定などの測定方法を取り入れることで多角的な視点から評価を行う方法を学びました。また、(地独)大阪市立工業研究所(現(地独)大阪産業技術研究所)の先生方との共同研究を行う機会があり、試料作成や実験通じて外部の研究者の方と意見を交えることで多くの事を学びました。
 さらに、神村先生のご支援や共同研究先の先生の紹介を通じて短期留学といった貴重な経験をさせていただきました。留学先は中国・上海にある上海師範大学で中国の多様な文化に触れ、多くの友人を作ることができました。また上海は地下鉄網がとても発達しており日本に比べて安い料金でかなり遠くまで乗ることができることや、公安部による監視が厳しく荷物検査が徹底されていた点が印象に残っています。 光洋機械工業へ入社後は半年間の現場での実習があり機械の配線作業や生産ラインで組み立て作業に取り組み、その後設計部の制御設計グループへ配属されました。現在の業務内容は「平面研削盤」のハード・ソフト両方の設計を担当させていただいています。ハード設計では機械本体に取付けられる制御盤・操作盤のサイズや、お客様の仕様
に合った制御部品や周辺機器の選定を行い電気回路図の作成を行っています。弊社では機械の大部分を機械設計が、電気に関わる部分は制御設計が担当し、部品の選定と手配が別になることがあります。構造上の干渉を避けるために機器などの取付け寸法や、選定部品の確認を行うことはとても重要になります。ソフト設計では主にシーケンサーやNCプログラムを用いて機械がどのように動作するべきか、どのようにあるべきかと考えながら組み上げます。場合によっては1から組む必要があるため難しい時もありますが、自分で考えたプログラムが正常に動作した時の達成感は感慨深いものがあります。
 入社してもう3年目という感覚ですが、まだまだ社会人としてはこれからなので日々努力を重ねることでレベルアップできるように頑張ります。