川上先生からの母校探訪

       今回「母校探訪」を担当いたします,川上です.2022年に着任し,
2022年度と2023年度には電子クラブの庶務も務めました.

 私の専門は環境電磁工学およびマイクロ波工学で,広くは通信工
学に分類されます.主な研究対象は数百 MHz 〜 数 GHz の周波数帯で,
通信機器や電子機器の設計手法の構築,電波検知,電波を用いた水位
計測などの応用技術をテーマとしています.現在は「電気磁気学」や
「ワイヤレス通信工学」などの科目を担当しております.

 OB・OGの皆様はご存じかと思いますが,電界や磁界は目に見えない
ため,初学者がそのイメージをつかむのは容易ではありません.しか
し,目に見えないからこそ,ひとたび理解できれば考えやすく,産業
利用においても利便性が高い面があります.私自身,学生時代は電気
磁気学に苦労し,理解するまで時間を要しました.その経験から,単
に解法を暗記させるのではなく,学生が自分の頭で考え,電界や磁界
のイメージをつかめるような指導を心がけています.

 電子情報システム工学科では,2023年度入学生から「研究推進
クラス」を設置しています.私は2024年度入学生のクラスを担当して
います.「研究推進クラス」について簡単に説明しますと,入学試験の
成績により選抜した少人数で構成し,学士課程から博士前期課程までの
6年間の学びを通じて,国際的に活躍できる専門的人材を養成するクラ
スです.クラス全員に専用の部屋とロッカーが使え,3年次の研究室早
期配属,4年次には大学院配当科目の授業を先取りできるため,大学院で
はゆとりをもって研究活動に取り組むことができます.「研究推進クラ
ス」は制度開始から今年で3年目となり,私が担当するクラスは現在2年
生です.クラスを運用していく中で,まだまだ課題を出てくるかと思い
ますが,引き続き改善に努めてまいります.

 一方で,近年は採用直結型インターンシップの解禁や就職活動の早期
化により,学部生が早い段階から進路を考える必要性が高まっています.
私自身,かつてメーカーに勤務し,採用される立場・採用する立場の双
方を経験しました.その経験を踏まえ,低学年のうちから進路について
考える機会を増やすことが重要だと感じています.

 まとまりのない文章となりましたが,以上を母校探訪とさせていた
だきます.OB・OGの皆様には,今後とも変わらぬご支援・ご協力を賜
りますようお願い申し上げます.

電子情報システム工学科 川上雅士