私は現在電子クラブの副会長をさせていただいています。吉田と申します。
現在、私はオンキヨー株式会社で働く傍ら大阪工業大学電情報システム工学科では「情報と職業」の非常勤講師をさせていただいております。現在のオンキヨー株式会社は元々オーディオメーカーのオンキヨーの研究開発部門が独立した会社で、仕事は「音」を主体としつつも音響センサとAIを使った仕事へと変わっています。もちろん従来の音に関する回路技術はAIで音を扱うために行う「音のデータ収集」において必須の技術で、より高感度・低ノイズで信号を増幅しデータ化できるよう日々技術を磨いており、まだまだ毎日が勉強中です。
最近では老舗の電子回路雑誌「トランジスタ技術」での回路記事の連載や特集記事も執筆させていただいており、これは特に国内の一流の技術者の皆様の目に留まるものであり、厳密な記事が要求されるため、実際執筆にはとても負荷がかかります(胃が痛くなることもしばしばです・・・)が、気を引き締め自身の技術の再確認と向上に役立てさせていただいています。
前述の情報と職業の講師は2017年よりさせていただいていますが、講義をとおして現役の学生さんと毎年交流させていただくことが本当に楽しみです。
講義を受けてくださる学生さん、みなさんがしっかり講義を聞いてくださり、講義ではほぼ毎年質問を頂いています。数回の講義において前週の講義で頂いた質問は、次の週に必ず回答するというスタイルを当初より続けているおかげか、学生さんとの交流もすごく深まっています。
昨年は、「情報と職業」の講義を受けてくださっていた学生(北村太慈さん)さんが自身の電子工作の成果を見てほしいとのことで、研究室に呼んでいただく機会をいただき、光伝送のオーディオ回路やハードウェアのオーディオ帯域ごとのレベルメーター(オーディオスペクトラムアナライザ)など数々の素晴らしい作品を見せていただきました。
丁度そのころ、トランジスタ技術を出版しているCQ出版社の編集者の方から「若手の執筆者を育てたい」との意見もいただいていたので、思い切ってその学生さんに「記事を書いてみませんか」とお話しした所、快く受けていただき、テーマとしては彼が所属している大阪工業大人力飛行機プロジェクトで、Arduinoを用いた人力飛行機の制御回路を題材に書いていただくことになりました。
もともと電子工作が得意でとても高い技術を持っておられる学生さんで、執筆すべき内容がどんどん溢れ出てきて、私もびっくりするほど優秀な学生さんでした。
私も微力ながらですが、本文の仕上げ方、トランジスタ技術での表現の仕方などアドバイスさせていただきつつ校正、出版まで実施していただくことができました。
最終的に廣芝先生のご指導もいただきつつ、記事は連載の形で、トランジスタ技術2024年3月号・4月号・5月号に掲載されました。さらにその後、彼自身の大学院での研究内容
についてトランジスタ技術Jr.2024年春号においての掲載もやり遂げておられ、大学からも表彰していただくことができました。
「情報と職業」の講義を通して今回のトランジスタ技術の執筆に関しての学生さんとの交流以外にも、たくさんの学生さんとの出会いがありましたが、このような機会を通して私自身が思うことは大阪工業大学の学生さんは本当にすごい人材の集まりだなぁということです。
またそのような素晴らしい学生さんに出会い触れる機会を得ることができたのも、大阪工業大学の発展はもちろんですが、電子クラブでの活動をさせていただいているおかげと思っております。
また、そのような学生さんと触れるなかで、私自身ももっと磨かねばと常々思っており日々精進しますとともに、今後も学生さん自身の可能性と力を発揮するためのアシスト役としてお役に立てれたらと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
<参考>
大阪工業大学 受賞・表彰ページ
トランジスタ技術 2024年3月号・4月号・5月号、トランジスタ技術Jr.2024年春号に掲載されました