第10回(電子情報システム工学科に、上野未貴先生が着任しました)

 はじめまして.この 4月に電子情報システム工学科という新学科名
称に変わる節目に着任致しました上野と申します.今回 OB の皆様へ
の記事を書く機会をいただき,恐縮ながらも嬉しく思っております.
周囲の皆さまから本学科のことを少しずつ教えていただきながら学ぶ
ことの多い日々を過ごしております.
 私は創作情報工学研究室という研究室を開きました.人工知能の分
野において,漫画や小説などの創作物は人がどのように状況や時系列
的な情報を捉えているかを定量化することに役立つと考えています.
私は人がストーリーをどのように創り出しているのかを定量的に解析
・生成して迫りたいと考え,またストーリーを生み出す人を支援した
いと考えています.具体的には,感情識別や順序識別などストーリー
に関わる問題を定義し,画像と言語からなる大規模データを構築し,
機械学習手法を実装し解析する,という流れで研究を進めております.
本学科は広範な分野が融合しており,ソフトもハードも学べることが
魅力的で,現所属の方から研究や開発のきっかけを拝聴することを興
味深く感じております.
 皆さまはどんなきっかけでこの分野に入られましたか.私はあるハ
ードの中に技術が凝縮されていることに興味があり,一続きで完成し
た電子製品を集めることが好きです.コンピュータやインターネット
を個人で少しずつ利用できるようになった頃が幼少期にあたり, 各
種コンピュータゲーム,特に,人の思考や行動を何らかの形で定量化
している,経営シミュレーションゲームに夢中になりました.ハード
もソフトも,今ほどには汎用的なものが少なかった頃,各社が趣向を
凝らした電子玩具や製品が出るたびに,どのようにできているのか興
味をもちました.家族と電気屋さんに行くことが楽しみでした.自分
でも何か創ってみたいと感じ,小学生の高学年以降に,コンピュータ
一つで,Web ページやソフトウェアを創ることができることに魅了さ
れました.そして,本を読むこと,物を書くことが大好きだったこと
が融合し,この世界に出会いました.
 本学科に着任して,電子を起点として生まれた数々の情報やシステ
ムのつながりの恩恵を受け,分野が継続的に発展し続けていることを
再度身に沁みて感じます.自身が興味を持つきっかけの基盤を創った
先駆者たちの生み出したものを辿って,各時代の夢を知りながら,非
常に今,速度が速い分野で新たに描けるものを探し続けられることを
嬉しく思います.現在の所属にて教職員や在学生の方たちに教わり教
える大学という環境で,教員として,新たなことに出会い学べる喜び
を感じています.
 今,ここから出て各所でご活躍されている皆さまとお話する機会を
もつことができることを楽しみにしております.

 電子情報システム工学科 上野 未貴

          「創造情報工学研究室」

          https://www.oit.ac.jp/laboratory/room/348